牛若丸が修行した、天狗の住むお山であることは、事前に知っておりましたはずですのに。もう。
京都2日目は、今回の旅行の最大目的、鞍馬山に登りました。きつかったです。息を切らしつつ、嗚呼、高尾山ハイキング位の軽い気持ちで来るには、しっかり山登りだったわ、油断していたわとぼやきつつ。流石、山修行に使われた山です。伏見稲荷位の観光地感覚では駄目です。天気にも恵まれ、緑は綺麗で、人も少なく、とても良い日和でした。でしたのに、まぁ、いつも枕が変わらなくても眠れないというのに、枕が変わったら眠れるはずもなく。そんな前夜を過ごし、朝、5時に鳴るお寺の鐘の音を聞き、こんなに身体は疲れておりますのに、ふかふか寝台に真っ白シーツでこんなに快適でおりますのに、変に冴えた頭は地獄だわと思いつつ重い身体を起こして、へろへろ状態で、普段着に日常使い用の鞄で鞍馬山は完全に舐めておりました。
あの木の上に天狗がいます！ 途中、すれ違った遠足風の子供たちは、実は小天狗で修行中なのです。そんな嘘吹きつつも、まぁ、天狗はおりましたけれども。お写真はたくさん撮れました。
旅行での撮影は夜にお衣装を代えるのですが、たくさんお写真を撮りますと同じお着物ばかりで、途中、お着替えしたかったなと思うことも多々ございます。今回は少しでも変化を持たせるために簡単に変えられるウィッグのみ変更させて、ストールを足して。同じドールとお着物でも印象変わりますね。
鞍馬山を越え、丁度、昼時でしたので貴船の川床でランチを致しました。店先の老婆の勧誘に促され、疲れ切った脚で吸い込まれるように、薄暗い店内を潜り抜け、人気のないお席に案内されて、夏日の山登りで汗だくでしたのに湯豆腐を勧められるまま注文し、もお料理が並ぶ頃には床下を流れる水の音に少々寒くなっておりまして、温かいお豆腐がとても美味しかったです。他にも天麩羅や鮎とつまみつつ、瓶ビールを呑み、嗚呼、これは狐に化かされていると言われても、そうなのかもと信じてしまうシチュエーション。なんだか凄く贅沢な時間でした。
